今回はグローバル・ソブリン・オープン(毎月決済型)を紹介します。
目論見書p3によると、
特色1「世界主要先進国の、信用力の高いソブリン債券を主要投資対象とし、国際分散投資を行います。」
とあります。
先進国の国債などに投資しているようです。
投資先は欧州が多く、格付けは問題なさそうです。
資産としては基軸通貨であるユーロとみることができると思います。
目論見書p2によると、グローバル・ソブリン・オープンはグローバル・ソブリン・オープンマザーファンドに投資しています。
グローバル・ソブリン・オープンは小売り店で運用はグローバル・ソブリン・オープンマザーファンドに任せる分業制になっているようです。
P13をみると、購入時手数料は上限で1.62%(ノーロードの証券会社もあったかもしれません)で信託報酬は年率1.35%(しかも、マザーファンドへの報酬まで含まれているようです)でかなり安いと思います。
この目論見書で珍しい(?)のはグローバル・ソブリン・オープン(以下 ソブリン)をたくさん売った証券会社や銀行が儲かる仕組みまで書いてありました。
ホームページから基準価格などのデータをダウンロードできるのですが、基準価格価格とは換金価格(0.5%の信託財産留保がかかる)までありました。
データは1998年からありますから15年以上の歴史があります。
信頼性に問題はなさそうです。
1.データのダウンロード
データ次のページからダウンロードしました。
データこんな感じです。
NO | 基準日 | 基準価額 | 課税前分配金 | 換金価額 | リーマンショック | 純資産総額 | 年利% |
18 | 1998/01/17 | 10234 | 51 | 10183 | 27382676470 | 5.98 | |
39 | 1998/02/17 | 9893 | 35 | 9844 | 38306933477 | 4.24 | |
59 | 1998/03/17 | 10208 | 35 | 10157 | 48761767477 | 4.11 | |
82 | 1998/04/17 | 10409 | 45 | 10357 | 66608711785 | 5.18 | |
100 | 1998/05/17 | 10379 | 45 | 10328 | 82188443725 | 5.2 | |
123 | 1998/06/17 | 11204 | 50 | 11148 | 111008542204 | 5.35 | |
145 | 1998/07/17 | 11081 | 50 | 11026 | 95722587653 | 5.41 | |
165 | 1998/08/17 | 11556 | 60 | 11499 | 99069585323 | 6.23 | |
187 | 1998/09/17 | 11221 | 60 | 11165 | 94100105988 | 6.41 |
NO、リーマンショック、年利%は私が付け加えました。
手順は、NOに日付順に番号をつけます。課税前分配金で降順でソートします。
分配金のない日のデータを消し、NOで昇順でソートし、年利%を計算させます。
年利%は課税前分配金÷基準価格×12ヶ月×100%です。
エクセルでもできますし、エクセルを使う人なら抵抗はないと思います。
抵抗のある人は「エクセル入門」等で適当なページを検索し、オートフィルとか連続データの入力を探してください。
H2のセルに =d2/c2*12*100 と入力しオートフィルと同じ要領で年利%が計算されます。
2.基準価格・分配金・年利%
基準価格
分配金
年利%
図中のコメントは、こんな感じかなと言う私の想像です。
安定期は基準価格8000円前後で分配金は40円で年利換算で6%でした。
理想は基準価格10000円で年利6%なのでしょうけど基準価格にこだわる必要はないようです。
あとで確かめますが、リーマンショック前基準価格が8000円台から6000円台に下がったのは円高によるものと思います。
為替が原因なら、ソブリンから逃げ出す必要はありません。
ユーロ資産と考えれば、税金がかからずユーロ資産は年4~6%の複利で増える可能性があります。
ユーロ資産として、しっかりユーロ換算して確認すれば安心するはずです。
ソブリンは円高に振れても分配金を年利6%になるように調整しようとし、また、一瞬見かけ上の基準価格の暴落に歯止めがかかったようにみえます。
もう一つ思うことは、ソブリンはリーマンショックを予想していなかったと思います。
6%の年利にしようとするのは、為替が安定するあるいは為替の変動の平均が0になると言う前提で考えられているからです。(と思います。)
ですから、リーマンショック後はこうした調整はしなかったのだと思います。
ここまでの推論は、ドルでみたような円高がユーロでもあったと言う前提があります。
実際に確かめてみましょう。
3.為替再考
これによって、円対ドル、円対ユーロ、ドル対ユーロあるいはユーロ対ドルを確認する必要がでて来ました。
まず、円対ユーロの為替をみてみましょう。
A、Cは円安ユーロ高が進んだ期間で、B、Dは為替が落ち着いた期間(変化する遷移期間と言ったほうがよいかもしれませんが)です。
結果、60~70%の円安ユーロ高になりました。
1本100円のお茶を、ドイツやフランス人はお茶(ダイエット補助食品)を1.00ユーロだったのが0.63で飲めるようになりました。
日本ではベンツの価格は上がったでしょうが、確かめていませんが輸出は好調で景気は良かったのだと思います。
Eは訳の分からない円高です。世界で何かあると「安全資産と言われる円が買われる」現象が定着した時期かもしれません。
Fで円高は是正される過程で、最近は是正された感じもします。
この先きどうなるのか興味がありますが、そのうち判るはずです。
円対ユーロとユーロ対ドルの為替を比べてみましょう。
比較のためにユーロ対ドルの為替は100倍してあります。
データは松井証券さんのホームページから頂いたのですが・・松井証券さんは1ユーロが何ドルになるのかと言う観点で表示しています。この辺りデータを扱う時注意が必要です。
ユーロは2000年にデビューして2002~2003辺りで落ち着き、円安ユーロ高、ドル安ユーロ高に向かったようです。
ほぼ、同じ割合でユーロ高が進みました。
ユーロ高になって欧州の物が売れなくなったかと言うと、そうではなくドイツやフランス等の通貨が統合されたのですから欧州内での経済活動は活発になったと思います。
バラバラだった通貨は低く評価されていたのですが、統一されたことによりユーロ本来の価値に評価されたと考えられます。
しかし、リーマンショックはどうでしょう。
信用不安を起こしたのはアメリカなのに、ユーロはドルに対し安くなっています?
ユーロは基軸通貨として力をつけているはずですから、ユーロ高になってよいはずです。
それはともかくとして、リーマンショック後、ユーロ/ドル為替の変動はあってもせいぜい20%位でしょう、しかも最近は上昇と下降の変動周期が長くなり、振れ幅も小さくなって落ち着いてきているように見えます。
カンですが、グラフからいくと円は1ユーロ150円近くまで円安になっても構わない気がします。
もう少し、正確に見るには円/ユーロとドル/ユーロ為替を比べる必要があります。
どうも私は世の中を素直に見ない傾向があるようで、グラフに書いたコメントは私の妄想だと考えてください。
妄想ついでなので、ドルとユーロは政策協調して(人為的に)為替を安定させているように見えます。
さて、ユーロが正当に評価されてユーロ高になった期間を見ていただければ、なんとなくわかると思いますますので説明しませんが、円はユーロに対し後20円位円安になってもかまわないような気がします。
まあ、ウクライナとか一部の国の借金?そうした問題が片付けばの話ですが・・
少し、泥沼にハマッタ感がありますがあと一つだけグラフをみましょう。
円/ドルとユーロ/ドルの為替
堅苦しい算数の話はやめておきます。グラフを直観どおりに解釈して良いと思います。
ユーロ/ドルの為替は100倍してありますが、気にしないでください。
Aがユーロの実力で
ユーロ/ドル為替×100=80なら
円相場は
80円+25~30円=105~110円/ドル
で今の円為替はもう少し円安になってもよさそうですが正常と言えそうです。
Bがユーロの実力で
ユーロ/ドル為替×100=80なら
円相場は
80円+40~45円=120~125円/ドル
で今の円為替は円高にみえます。1ドル120円になってもおかしくないと思います。
ゴメンナサイチョット我慢できないので少しだけ
本来こうした比較をするときは2000年の値等でデータを割る規格化と言う作業をするのですが、今回は2000年付近で円/ドル、ユーロ/ドルは共に100に近い値だったで比較ができました。
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ちょっと盛り沢山になりました。
この程度の統計処理は個人でもネットで調べてできる時代になりました。
ネット上の「エクセル 入門」みたいなページを一通りこなすことをおすすめします。
できれば、相関係数や分散、標準偏差を計算する関数を使いこなせると理想なんですが・・・
「リーマンショック前にソブリンに投資したら」まで盛り込みたかったのですが、次にしたいと思います。
ドルとユーロの為替調整に使われた感がありますが・・・しかたないのかもしれません。
でも、報道はもう少し情報を流すべきなような気もします。
今回のおおきな収穫は完全なものではありませんが、円の評価が客観的にできるようになったことです。
私はできませんが、統計学に詳し方ならもっと役に立つ評価をすることも可能です。
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